久しぶりに図書館で借りた本のご紹介をしたいと思います。
魔女みならいのキク
作:草野あきこ 絵:ひがしちから
2021年11月:第一版 発行
『魔女ののろいアメ』『魔女のいじわるラムネ』『魔女のうらないグミ』に続く、シリーズの新作となっています。
子供の魔女見習いキクが、お師匠様の元で魔女の修行を受けています。妹達が上手に魔法を使えるようになっていく中、キクだけはうまくできない。
ある日、お師匠様が「魔女のお菓子屋さんを作って、人間のお菓子屋さんを困らせてやろう!」と考えました。
魔法が上手に使えないキクは、人間のお店に材料の買い出しに行くことを命じられます。そんな中、よく行くお花屋さんの子供とに「一緒にクッキーを作ろう」と誘われてしまいました。
お師匠様達が魔法で簡単に作ろうとしているお菓子と、人間の子供と共に時間をかけて苦労して作ったお菓子。
キクは何を感じるのでしょうか。
この話は前3作品の主人公である”いじわる魔女”の子供時代のお話。
そうなんです。結局『魔法のお菓子屋さん』をすでに経営しちゃってるんですよね(笑)
ただ前作まででは”いたずらしようとするけど、ちょっとお間抜けな魔女”という印象でしたが、今作では子供。いたずらできるほど魔法は使えませんし、人間と関わりを持ってしまったことで『魔女として』悩みを持ってしまいました。
彼女は今作〜前3作までの間、どのように生き・考えて『魔法のお菓子屋さん』を経営することにしたのか。気になりますね。
「走る図書館」が生まれた日
作:シャーリー・グレン 訳:渋谷弘子
私が定期的に本を借りているのは、この移動図書館のおかげ。
家のすぐそばまで来てくれるこの移動図書館は、本当に便利で助かっています。私以外にも、小さなお子さん連れのお母さん・年配者たちを中心に毎回移動図書を楽しみにしています。
市立図書館まで行くには、車で20分ほどかかり運転下手な自分には少々怖いコースを通らなくてはいけません。他の方がどのような理由で、この移動図書館を利用しているのかは知りませんが、本当に便利ですね。
でもこの移動図書館を作るのは、とっても大変だったようです。
移動図書館を作ったメアリーは1852年アメリカの北東部で生まれ。女性が8年生を終えて(中学生終了)も学校に行くのは珍く、仕事も今日しか看護師以外多くない時代です。
そんな時代に女性であるメアリーは勉学に励み、司書になるという道を選びました。
最初は無給の見習いから数々の努力と功績を重ね、1914年にはアメリカ図書館協会の2代目副館長にまで選ばれるようになります。
当時の図書館は『暇とお金のある人』のためのものでした。
しかしメアリーは『図書館とは働く男性や女性、子供達のためにあるもの』と考え、数々の改革をしてくれました。まずは無料で貸し出しから始める、『1人でも多くの人に本を読んでもらいたい』という思いのもと、移動図書館が作られ流ようになったんですね。
当時の写真・イラストがたくさん使われており、その状況が想像しやすかったです。中でも巻末にある移動図書館の写真の変化は見て面白いですね。
最初は馬車、その後モーター付きの車、最終的には大きなバスになっています。どれだけたくさんの人が、移動図書館を求めていたのかが想像できますね。
「図書館が遠くて来れないなら、図書館が近づけばいいじゃない」という、驚きの発想!私たちが今こうして自由に本を借りれるのは、彼女の素晴らしい功績のおかげだと知ることができて本当によかったです。
図書館を利用している方には、読んでもらいたい1冊ですね。
メアリー・レミスト・ティットコムの言葉
何かを成し遂げることのできた人は幸せです。
おわりに
『魔女ののろいアメ』シリーズは低学年向けのものです。前3作は息子はお気に入りだったのですが、今作借りたときは微妙な顔。やはり年齢的に少し幼かったみたいですね。
結果としては『キクは悩んでいたのにどうして”いじわるな魔女”になってしまったのか』と、結構盛り上がって話すことができたのでよかったのですが…。
子供の成長をしっかり考えて、本を借りてあげないといけませんね。
しかし幼児向けの絵本には全く抵抗なく、喜んで読んでいるのはどういった心理なんでしょうか。息子の気持ちは難しいです。
学校の図書室では一体どんなものを読んでるんだろうか。案外 親が思っている以上に小さい字がたくさんの難しい本を読んでたりするのかな(^^)
高学年むけの本も借りたいけど、ただそれだと読み聞かせが辛いんですよね〜(悩)