学生時代を経験している多くの大人が、”避難訓練”も経験しているのではないでしょうか。
現在30代後半の私も、学生時代に何度も避難訓練をしてきました。
しかし想定されていたものは「火事」と「地震」がメイン。
現在の子供のように「不審者」「凶悪犯」などの、人に対する訓練は一切していなかったと思います。
学校で行う 色々な訓練
「避難訓練」といえば、災害がおこった時に安全に避難するための練習。
- 火事
- 地震
- 不審者が侵入
など、色々なことを想定して訓練を行っているようです。
私が経験した訓練は、
校内放送で訓練開始の合図 → 整列してグラウンドへ避難 →そのまま警察・消防・先生などから”訓練の大切さ””災害の恐ろしさ”のお話を聞く
という流れがほとんどだったように記憶しています。
ただ今頃はそれだけじゃない。
基本は同じようなことをしているようですが、
- 消防の方に来てもらい、煙が充満した場所に入る
- はしご車に乗って高く上げられる
- 実際に木などを燃やして、水をかけてもなかなか火が消えない
など、より災害の恐ろしさ・大変さを経験して帰ってくることもあります。
私の子供時代に比べて、明らかに「避難訓練」の内容レベルは上がっているように感じました。
引き渡し訓練
そして先日 息子小学校では「引き渡し訓練」が実施されました。
実際は小学生です
要は「何かおこった時に保護者が児童を迎えに行くときに、スムーズに受け渡しができるようにする」ための訓練です。
地域にもよるのかもしれませんが、「引き渡し訓練」というものは私が学生の頃には経験したことのないもの。
息子の小学校では3年前から実施されており、比較的新しい訓練な気がします。
学校には毎年【家庭調査】を提出していますが、その中には「緊急時に迎えに行く人」という名前を書く欄があります。
それらを参考に今回の「引き渡し訓練」では、迎えに引きた人の名前・続柄,子供から「この人はお母さんです」などの口頭確認をしっかり行っていました。
実際の緊急時に、そのようにしっかりとチェックをする余裕があるかはわかりません。
しかし過去の災害時には「想定していた人以外に児童を引き渡しトラブルがあった」こともあるようです。
保護者の感覚としては「子供を迎えに行く日」となってしまいがちですが、先生側からしてみれば大切な訓練の一つですね。
引き渡しの後
さて 学校から息子を引き取り、「引き渡し訓練」を無事に終えた私たち親子。
ここからは”私と息子の訓練”となります。
今回の引き渡し訓練は「学校付近で凶悪犯が出た」ということを想定して行われていました。
そのため私たちもそのつもりで、普段の通学路とは違う大通りを歩いて帰るようにしました。大通り=安全というわけではありませんが、そういった方は『少しでも人目につかない裏通りを選ぶのではないか?』という考えからです。
それから歩きがてら「子供110番の家」の確認。
これは普段の通学路でも、どこにあるか子供にしっかりと認識させておきたいです。今回のように”犯罪者”が出回っている時には、特に助けとなるのではないでしょうか。
また地震・台風の時はどうするか?といった話もしながら子供と一緒に帰りました。
2019年の東日本大震災の時には、保護者に児童を引き渡した後 帰宅途中に津波の被害に遭われた方達もいらっしゃったそうです。
災害時には自宅が安全とは言い切れません。
子供を引き取りには行きましたが、災害・事件の内容によっては、そのまま学校で待機していた方が安全な場合もあると思います。
おわりに
最近では「避難訓練は意味ない」というような言葉もよく聞きます。
多くの子供たちが なんとな〜く先生の指示にしたがって動いて、緊張感などは特にないでしょう。「意味がない」という方々の意見もわかります。
ただ親の立場になって思ったことは、
避難(引き渡し)訓練は子供よりも先生の訓練だな
ということ。
特に今回の「引き渡し訓練」では、子供たちは各教室で待っていただけ。
「誰の親が一番にくるかな〜」と盛り上げっていらしい。
それに対して先生は「引き渡していい人か?」「迎えに来ない生徒に対して」など色々と対応されていたようです。もしかしたら、「凶悪犯が学校に侵入した場合」などの対策も考えていたかもしれません。
自分が子供の頃を考えて、「避難訓練」は非常にめんどくさかった記憶があります。「意味あるの?」と考えたこともあります。
ですが 子供たちを預かっている先生方の立場から考えたら、大切な学びの時間かもしれません。
日本はどうしたって災害が多い国。
さらに私の子供時代よりも、災害の規模が大きくなっているように思います。
「いざ」というときにどう動くか?
その話を家族でするだけでも、意味のあることではないでしょうか。
おしまい。